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社長コラム

【第3話】酒造りスタート:酒米確保は自己責任

この冬の酒造りがいよいよスタートする。酒造好適米(酒米)の作柄も上々。酒の神様、松尾様にも先日、安全醸造祈願をしたところだ。万事順調といいたい今期の酒造りだが、酒米の確保には少なからぬ気苦労と、そこから得られた教訓があった。一言で言えば「酒米の確保は自己責任。蔵元が栽培農家と直接関係を築く努力をするべき」である。背景から話を起こそう。
 
長野県内の場合、酒米調達の最も一般的な流通ルートは①酒米農家②地域のJA③JA全農長野④県酒造協同組合(以下酒造組合)⑤酒造メーカー、の番号順になる。①で収穫された酒米が、②と③を通って④から⑤の酒蔵に販売される流れだ。特に④は協同精米所としての役割もあるため、自社で精米機能を持たない酒蔵は④から仕入れるしかない。
 
一方、自社で精米機を保有する場合④だけでなく、①、②、③から直接玄米を仕入れることが可能だ。弊社は自社精米機をもっている上に、地元の上伊那地域が酒米の主要な産地のため、②のJA上伊那からの直接購入も十分可能だが、④の酒造組合から玄米を仕入れるのを常としていた。
 
さて今年の状況だが、9月に酒米「ひとごこち」について県内各蔵の購入希望数量を集計したところ、酒造組合に入荷予定の数量のなんと1.5倍に上った。このような場合、規約に基づいて、各蔵への配分数量の調整が行われる。その結果弊社は希望数量の3分の2まで減らされる事態となった。地元が「ひとごこち」の主要な産地で、JAからの直接仕入れも選択可能だったことを考えれば、酒造組合からの仕入れという方針が裏目に出た格好だ。
 
  酒米はこれまで余ることはあっても不足する事態はなかったために、安定調達に対する対策が十分でなかったことが反省点だ。来春からは地元の農家と契約し、良質な酒米の安定確保と栽培技術の向上に取り組む計画だ。他方、酒造組合に対しては、組合員としてその発展に貢献する姿勢を持つと同時に、それに依存しない心構えを持つべきだと強く感じた今回の事例であった。

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