株式会社仙醸
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日本酒のちがいを、酒米で味わう。
ちょっと通な日本酒の楽しみ方、試してみませんか。

酒米イメージ

「米」は日本酒の唯一の原料。

麦や蕎麦、芋など様々な原料が用いられる焼酎とは違って、日本酒の原料は「米」のみ。

この「米」に注目すると、さらに日本酒の奥深い世界が見えてきます。

日本酒の香りや味わいに繊細な違いをもたらす日本酒の原料「酒米」について、
ちょっと得するあれこれをご紹介します。

1.食べておいしいお米=よいお米ではない! 
おいしい「酒米」の条件

日本の食卓に欠かせない「米」。ササニシキやコシヒカリ、ひとめぼれなど、種類もたくさんあって、食べ比べを楽しんだり、銘柄にこだわっているという方も多いのではないでしょうか。

食べておいしいお米なら日本酒にしてもおいしそう、と思いませんか?

実は、食べておいしいお米と、日本酒の原料として優れている「酒米」は違うんです。

美味しいお米、と言われて思い浮かべるのは、白くツヤツヤと炊き上がり、噛めば柔らかく、適度な粘りと、甘みがあって…そんなイメージですよね。

では、日本酒にしておいしい米とはどんなものでしょうか?

日本酒に適している「酒米」には明確な条件があります。

・「タンパク質、脂質が少ないこと」

・「大粒であること」

・「適切な形状の心白があること」

この3つの条件を満たすものが、日本酒造りに適した米、「酒造好適米」として現在100種類以上が登録されています。

この3つの条件、日本酒造りに詳しい方なら「そうそう!」と納得いただけるかもしれませんが、ちょっとピンときませんよね。

一つずつ、解説します。

2.米を磨く!日本酒の「精米歩合」にも注目!

まず酒米の一つ目の条件は「タンパク質、脂質が少ないこと」
お米の外側にはタンパク質、脂質が多く含まれていて、食べる場合には旨味となりますが、日本酒造りにおいてはそれが逆に雑味の素となってしまいます。そのため、「タンパク質、脂質が少ないこと」は日本酒に適した酒米の条件。
さらにタンパク質と脂質を減らすため、日本酒を造る際にはお米の外側を削って精米するのですが、この割合を示すのが「精米歩合」です。
日本酒のラベルにも表示されている「精米歩合」。
精米歩合60%、精米歩合50%などのようにパーセンテージで表示されています。
「精米歩合60%」と表示されていれば、「米の外側を40%削って、残りの60%で仕込んだ日本酒」ということです。

そこで二つ目の条件、「大粒であること」が重要になってきます。
食用米なら精米の度合いは大抵10%程度ですが、酒米においては30%以上削られるのが一般的。精米歩合の高い日本酒では70%も米を削ることも。
こんなに米を削るので、日本酒造りには大粒の米が適しているんですね。

雑味のない日本酒を生み出すために大切な工程で「米を磨く」とも表現される精米。
磨きのかけかた一つで、味わいにも変化が出てきます。
「精米歩合」に注目して日本酒を選んでみるのも楽しいかもしれませんね。

3.酒米の必須条件「心白」とは?

三つ目の条件、「適切な形状の心白があること」。

「心白」、聞きなれない言葉ですよね。
日本酒の原料となる「酒米(酒造好適米)」の必須条件でもある「心白」とはなんでしょうか。
食用米と酒米を比べてみると、酒米にのみ中心部に白っぽい塊があるのがわかります。
これが、「心白」。
この「心白」はデンプンの構造が粗くなっている部分。これがあることで、日本酒を醸す際に用いる麹の菌糸が米の中央部まで入り込みやすくなるんです。

日本酒を造る上で欠かせない要素である「心白」ですが、一方で「心白」の部分は脆く、精米の際に崩れてしまうというデメリットもあります。

米の形状、性質を理解して、目指す味わいに適すように米を磨くのが蔵人の腕の見せ所。
お米一つ削るにも、熟練した技術と、知識が必要だということがわかりますね。

4.美味しい酒米はどこで育つ?

「美味しいお米」で思い浮かぶ銘柄や産地は様々、「ササニシキ」に「ひとめぼれ」、「あきたこまち」や「魚沼産コシヒカリ」などの産地ブランド米も有名ですね。

一方、日本酒の原料である「酒米」の中でもっとも有名なのは「山田錦」ではないでしょうか。
日本酒を嗜む方なら一度は耳にしたことがあるであろう「山田錦」は兵庫県を主な産地とする酒米で最大生産量を誇る酒米です。
一般的には「米どころ」のイメージのない兵庫県の酒米が有名だなんて、少し以外な気がしませんか?

実は「酒米」、稲の形状からして食用のお米とは少し異なります
最も大きな違いは「稲穂の背丈」。
食用のお米、例えばササニシキやコシヒカリの稲穂は120~130㎝前後ですが、先に名前の挙がった「山田錦」の稲穂は150cm。
食用米の稲穂に比べて、酒米の稲穂は背が高いんです。
これがどう影響するかというと、まず、稲穂の背丈が高いということはその分、風で倒れやすくなり、台風などの天候の影響を受けやすくなります。

また、背丈が高い分、影も長くなるので、日照を確保するために稲の間隔を確保したり、段差を利用して影の影響を避ける必要も出てきます。

酒米は朝晩の寒暖差が大きい栽培環境を好むため、
標高が高く、朝晩の寒暖差が大きい」=山間部が良い酒米の産地となることが多いのです。
山田錦も兵庫県にある六甲山地が主な産地となっています。

山間部が酒米の産地に適している、と聞くと山の多い日本のことですから、他にも美味しい酒米のできる産地がありそうですよね。

5.「酒米」の隠れた名産地。
澄んだ空気と水に恵まれた酒どころ「長野」で育つ「酒米」。

美味しい日本酒に欠かせないのは、質の良い「酒米」と美味しい「水」。

この2つの条件を満たす、隠れた「酒米」の名産地があるんです。
それが、「長野県」。

「南アルプスの天然水」でも知られる「南アルプス」に加え、「北アルプス」と「中央アルプス」の3つの山脈を持つ長野県。アルプスの山々が蓄えた澄んだ雪解け水は、スッキリとしたキレの良い味わいです。

この水だけでも美味しい日本酒への期待が高まりますが、さらに長野県は酒米の品質がすごい!

酒米には「特上」を最上として、順に「特等」、「一等」、「二等」、「三等」という5つの評価基準があるのですが、長野県は「一等米」の比率が全国一!収穫される米の品質が総じて高いのが長野県なんです。※令和元年産 95.9%(全国1位)

そんな長野県で作られている酒米はこちらの6種類。

品目 特徴
美山錦

品種登録年:昭和53年
長野県を代表する酒米で、淡麗ですっきりとした味わいの日本酒に適した品種。軽く、繊細な味わいが特長。

> 美山錦を使った日本酒はこちら

ひとごこち

品種登録年:平成7年
ボリュームのある甘みを出しやすく、にごり酒などにも向く品種。

> ひとごこちを使った日本酒はこちら

金紋錦

品種登録年:昭和39年
長野県の最北端、木島平で栽培される希少品種で「幻の酒米」と呼ばれるほど収穫量の少ない酒米。
独特の野趣味と味わいの複雑さを持つ。蔵によっては、1~2年の熟成を経てから出荷するなど、熟成にも向く。

> 金紋錦を使った日本酒はこちら

山恵錦

品種登録年:令和2年
「信州の山々からの恩恵」をイメージして名付けられた「山恵錦(さんけいにしき)」。なめらかで雑味の少ない日本酒に仕上がりやすく、味のバランスのとりやすい酒米。2017年に登録された新品種。

> 山恵錦を使った日本酒はこちら

たかね錦

品種登録年:昭和14年
標高の高い土地(高い峰)での栽培に適していることから名づけられた「たかね錦」。タンパク質が少なく、すっきりとした味わいに仕上がる。

しらかば錦

品種登録年:昭和57年
標高800m付近で栽培することを目的に、突然変異を起こさせて出来上がった品種。

美味しい水で育った高品質の酒米を、さらに美味しい水で醸すのですから、長野の日本酒が美味しくならないわけがありません。
ちょっと飲んでみたくなりませんか?

6.米の違いを味わうなら、米にこだわる酒蔵の日本酒を!

長野県は日本でも二番目に酒蔵の数が多く、その数、約80蔵という酒どころ。
どの酒蔵の日本酒を試そうか、迷ってしまいますね。
今回は「米の違いを味わう」ということで、米にこだわりをもつ酒蔵をリサーチしました。

ポイントは2つ。

・酒米の育成環境にこだわっている。

・酒米の精米にこだわっている。

酒米の品質だけでなく、米の磨き方にもこだわりのある酒蔵を求めてリサーチ開始。
「契約農家」や「自社精米」などをキーワードに調べていくと、一つの酒蔵にたどり着きました。

それが、150年以上の歴史をもつ老舗酒蔵「仙醸」。
酒米の名産地である長野県の中でも有数の産地である「上伊那」に蔵を構え、契約農家との契約栽培で育てた酒米を、すべて自社で精米するというこだわりのある酒蔵です。

「仙醸」が蔵を構える「上伊那」。
「上伊那」が酒米の有数の産地と言われるには、こんな理由があります。

①二つのアルプスに囲まれている。

「南アルプス」、「中央アルプス」、二つのアルプスに囲まれた上伊那は、山に守られて台風の被害が少ない地域です。稲穂の背が高く、倒れやすい酒米にとって、台風の影響を受けにくいというのは重要な条件。山から吹く風で通気性が確保されるのも、酒米にとってのプラス条件になります。

②降水量が少ない。

意外なようですが、「雨が少ない」というのは酒米にとって好条件。
食用米に比べて酒米は病気や害虫に弱いことが多く、とても繊細です。
雨が少ない、ということは病害虫が発生しにくく、酒米が順調に育つ環境が整っているということ。病害虫が発生しにくいということはその分、農薬の使用も抑えられるというメリットも。
地下水(伏流水)に恵まれた土地だからこそ、雨が少なくてもしっかりと良い酒米が育ちます。

③標高が高く、内陸性気候である。

海のない長野県は「内陸県」とも呼ばれる内陸性気候の土地です。
気温の上昇、下降を緩やかにしてくれる水辺がないため、朝晩の気温の変化が大きいという酒米に適した気候に加え、谷の中央を流れる天竜川をはさんで標高600~900mの水田が広がっています。標高が高いため、周辺の空気が澄んでいて、虫も少ないと良いこと尽くめ。

長野県で作られている酒米のうち、「仙醸」が採用しているのは地元上伊那産を主とする4種類。
すべて、契約農家栽培で、酒米づくりに取り組んでいます。

「ひとごこち」「山恵錦」を育てる酒米のスペシャリスト
田畑毅氏

山恵錦など、新品種の試験栽培にも積極的で、酒米の品質向上のためには労を惜しまない。酒蔵と二人三脚で酒米づくりに取り組んでくれるとして信頼の厚い農家さんです。
米を収穫したあとの、「もみすり」、「乾燥」まで自ら手掛けるこだわりの農家さん。

「ひとごこち」「美山錦」を育てる酒蔵に欠かせぬパートナー
農事組合法人山室

酒蔵「仙醸」の地元、長野県伊那市高遠町の農事組合法人。標高が900mの高地ながら日照時間が長く、山に囲まれていて台風等の影響も受けない上伊那で酒米を栽培。
草刈りの手伝いをしたり、新酒のお披露目をしたりとお互いに助け合い、支えあい、酒蔵と農家の共同作品としての酒造りに欠かせないパートナー。近年高性能の選別機を導入するなど、さらなる米の品質向上に余念がありません。

「幻の酒米 金紋錦」を一手に引き受ける長野県最北端の農協
JA みゆきの

長野県の最北端「木島平村」でしか栽培されていない希少種、「金紋錦」。
村外不出とされる「金紋錦」の栽培を一手に引き受けているのが「JAみゆきの」です。
「仙醸」では減農薬で育てた「金紋錦」の特別栽培米を仕入れるというこだわりよう。
こだわり抜いた「幻の酒米」のお味が気になります。

さらに「仙醸」では、精米歩合35%まで削ることのできる高性能精米機で精米からすべて一貫して蔵で行っています。
その年の酒米の出来や状態を見極め、精米機の回転数を微調整するなど、酒米のもつ持ち味を最大限に活かしきることにこだわる「仙醸」。
「米の違いを味わう」なら、まずはこの蔵の日本酒をおすすめします!

7.「米の違いを味わう」ためのセットがおすすめ!

これだけ酒米にこだわりをもつ「仙醸」ですから、今回の目的、「米の違いを味わう」商品があるのではないか、と思っていたらありました!
その名も「長野県酒造好適米 飲み比べ」。
「仙醸」の地元、酒米有数の産地である「上伊那」の4種の酒米を純米から純米大吟醸酒までの6本のラインアップに仕上げた飲み比べセットです。

「ひとごこち」の特長を生かした、透明感のある甘みの純米大吟醸に、なめらかな飲み心地で綺麗な味わいの「山恵錦」の純米大吟醸。
もちろん、「幻の酒米」、「金紋錦」も試せます!個性的な「金紋錦」の味わいを熟成させた純米吟醸で。
他にも、りんごを思わせるフレッシュな酸味とジューシーな甘みが楽しめる「美山錦」の純米吟醸に、「ワイングラスで美味しい日本酒アワード2020」で金賞を受賞した「ひとごこち」の無濾過原酒、すっと背筋が一本通ったようなキレの良さに仕上げた「美山錦」の辛口純米と、酒米の個性を米にこだわる「仙醸」ならではのセレクションです。

米にこだわる酒蔵「仙醸」の飲み比べセットはこちら

長野県は全国有数の米どころ。その中でも、南信州の上伊那は酒米の栽培が盛んです。
長野県産の4種類の酒米で仕込んだ、純米から純米大吟醸酒の飲み比べセットです。
いずれの酒米も、当社が自家精米して使用しております。

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飲み比べセット

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飲み比べセットをもっと知りたいという方はこちら

長野県産の酒米で仕込んだ飲み比べセットを各種ご用意しています。
送料込みのセットもあるので、ぜひご覧ください。

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飲み比べセット

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