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社長コラム

【第14話】一期一会の心:日本酒でおもてなし

都内で先日、ある「お酒の会」があった。その会で、大学の先輩に、「同窓生の経営する酒蔵」として取り上げていただき、酒を紹介しながら酒蔵の歴史や酒造りについて語った。「おもてなし」について考える機会となったので紹介したい。
 
 酒の会の成功にとって最も重要なのは「いかにいい酒を出せるか」である。新酒から古酒まで多くの選択肢がある中で8種類にしぼるのだが、どの酒をどの順序で出すかを、参加者の年齢や酒の嗜好、一緒に提供される料理のメニューなど想定しながら選定した。
準備すべきことは他にもある。商品や蔵の取り組みなどをまとめた配布資料を用意した。酒と一緒に飲む水を「和らぎ水」というが、今回は仕込み水を蔵から送って使った。また66人の参加者に酒を注ぐのにも時間がかかるため、一升瓶入りの酒を配る際に使うデカンタとして四合瓶も提供した。
 
 万全の準備で当日に臨んだのだが、会の世話人の一人でもある先輩が二つのものを作ってきてくれた。デカンタに分けたお酒が、どの酒であるか区別するため瓶にかける首掛けと、一人一人の席に用意された8つのグラスにどのお酒を注いだか区別するシールだった。 
その先輩は、日本酒に対する造詣と愛情の深さから、各国の日本大使館で賓客をもてなす際に提供される日本酒についても外務省に助言されている立場の方だ。公式な晩餐会も、この日のような打ち解けた会でも、日本酒一本一本の個性を客に伝える手間を惜しまない姿勢に私は感銘を受けた。
 
そんな先輩方の助けもあって、司会者、ホテルのスタッフ、酒を担当する蔵元が一体感を持って客にサービスを尽くすことができたと感じた。私がこれまで経験したお酒の会でも特に印象的なものとなった。
 
 2020年の東京オリンピック開催、訪日する外国人観光客の増加など、和食や日本酒でおもてなしをする機会は今後も増えるだろう。一期一会の心で臨めば誰もが相手の心に響くサービスが提供できると思う。それを皆で行えば日本の国の魅力をさらに高めることになる。
 
先ほど触れた先輩の話では、外交の世界におけるもてなしは、自国の文化水準や、外交官個人としての教養やセンスを問われ、相手の実力を推し量る真剣勝負の場でもあるという。日本文化について自分自身が学び、もてなしを通じて、それを人に伝えていきたいと思う。

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